遊びをせんとや生まれけむ

あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故に尊とい。夏目漱石

地震にも負けない藤井聡太名人vs豊島将之九段の名人戦

昨夜、4月24日20時40分、茨城県北部を震源地とするマグニチュード5.0の地震が発生しました。

第82期将棋名人戦(第2局)が行われていた成田山新勝寺の中継カメラもしばらく揺れていて、どうなることかとライブ中継でハラハラしてしまいました。(後で調べたら震源地の震度が4で、成田市の震度は3でした。)

ハラハラしていたのは私だけだったのか、対局をしていた手番の藤井聡太名人(21)は一心不乱に考えていましたし、対面に座る豊島将之九段(33)も一瞬「揺れてる、地震だな」みたいな表情をしただけでした。

 

両者とも「仕事」に集中していて、これくらいの揺れには動じませんと言わんばかりで、手番の藤井聡太が指した次の一手は、AI推奨の最善手で、終盤の難しい局面のバランスを保つ一手を指していました。(下の画像はその盤面で、この後藤井はAI推奨の最善手「3六銀」を指しました。)

 

 

今対局は、1日目から2日目午前中まで藤井がリードする形で推移していましたが、野球に例えると、6回に豊島が同点に追いつき7回に勝ち越し越してリードを保ちましたが、9回土壇場で藤井が逆転打を放ち勝利をものにしました。

9回には両者の残り時間がなくなりつつあったにもかかわらず、局面は混とんとしていて難しい将棋になっていました。

藤井が複数の「勝負手」を放って難しい局面を創り上げたことにより、豊島が詰みを逃してしまった感のある対局でした。豊島は最後は1分以内に指さなければならない「1分将棋」になっていましたので、難しい局面を読むための考慮時間が足りませんでした。

 

いまAIによる研究が進んで将棋界の戦法は進化してきましたが、時間が切迫した最終的な局面は、AI研究とはあまり関係ない人間的な力技が見られてハラハラします。

両者の持ち時間が9時間という、将棋界で最も持ち時間の長い名人戦ですが、最後には時間が足らなくなって、とてもスリリングな展開になるのが常なのでした。

 

話は変わりますが、先月末に行われた「詰将棋解答選手権」に6連覇がかかっていた藤井聡太は出場しませんでした。

優勝者の得点が70点台で全般的に難しい問題で、「藤井仕様」の問題だったと話題になっていました。参加者の誰もが解けなかった「10番」の問題を藤井が解けただろうかというのが気になっていましたが、朝日新聞の北野記者がその答えを引き出してくれました。グッジョブ!(下の動画、7分過ぎから詰将棋選手権の質問。)

藤井の答えは、「問題は90分以内に全問解けて、難問の10番は30~40分かかったが解けた」というもので、事実上6連覇を達成していました。

ちなみに最終問題の「10番」は39手詰めで、作者の若島氏に対する藤井の称賛のことばも立派なものでした。

 

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小学校6年生で、並み居るプロを負かして詰将棋選手権で優勝した藤井少年が、いま八冠として将棋界に貢献していて素晴らしいロマンを感じます。

しかし、たとえば、名人戦の第2局の最終局面を見ていると、いくら詰将棋の能力が高くても将棋に勝つことは難しいと感じます。

詰将棋は、たとえ39手詰めの超難問でも「絶対に王様を詰めることができる」という答えのあるパズルなのですが、実際の将棋の対局は、相手の王様が詰むのか詰まないのかが分からない難問と対峙しますので、パズルではなくゲームなのです。

 

SNSでは「藤井の毒まんじゅう」と感心されていますが、藤井は大一番や苦戦だと感じた対局では、少ない持ち時間を賭けて盤上で詰将棋のような難問を相手に仕掛けて力技勝負に持ち込んでいるような印象を受けます。

AI研究で仕込んだ定跡や作戦だけでは少しスケール感が足らなくて、その場でなければ発揮できないパワーの賜物が「毒まんじゅう」の例えで表されるものだと思います。

その毒まんじゅうは食べたらヤバイ、みたいな仕掛けがあったりなかったりして、藤井マジックはすごくて楽しいのであります。

ということで、二十歳を過ぎてもなお天才的な青年に(大谷翔平も)、心を奪われているきょうこの頃であります。

おぞましい維新・大阪府政・ミャクミャク像etc...

大阪市役所の目に設置されている、ミャクミャクという万博キャラクターのおぞましいオブジェが傷つけられた事件が1月前にありました。

事件直後、吉村大阪府知事は「万博に対して反対の意見があったとしても、こういった暴力行為、犯罪行為は控えていただきたい」と記者会見の席で述べたり、「(犯人は万博に反対する人である)可能性は高い」「ミャクミャクは万博の象徴的なキャラクター。意図的に故意に傷つけられた。万博に否定的な意見を持っている人ではないか」など、あたかも「反対派」による行為だと決めつけました。

さらに吉村はX(旧Twitter)にも「これは酷い。どれだけ万博に反対意見をもっていたとしても、暴力・破壊行為に及んではならない。警察には徹底捜査をしていただきたい」と投稿しました。大阪維新の会の佐竹という大阪市議もXに「万博反対の声として、器物破損のやり方は正解でしょうか」と投稿しました。

 

時は流れ、このほどミャクミャクを傷つけた下手人が明らかになりました。器物損壊の疑いで書類送検された当の男性Aさんの取り調べによると、遅くまで酒を飲んでいて最終電車に乗り遅れてイライラしているときに見つけたミャクミャクを傷つけたのだそうです。

Aさんは社会医療法人に勤めているそうで、「A氏は温厚な方、万博反対など、政治的な主張を声高にするような人ではない。それどころかうちの法人では高齢者施設も運営しており、お年寄りから機会があれば万博に行きたいねと話が出るほどです」とのことで、反対派どころか万博肯定派の単なる酔っ払いおじさんだったようです。

 

 

吉村がミャクミャクを壊したのは「反対派の仕業だ」と決めつけた数々の言動は、酔っ払いの繰り言にも近いもので、弁護士資格のある人間としてあるまじき発言ではないでしょうか。まあ弁護士と言っても、吉村はサラ金武富士が起こしたスラップ訴訟の代理人弁護士だったわけですから、さもありなんの発言ではあります。

 

イソジン」「大阪発ワクチン」「野戦病院」「空飛ぶ自動車」「玉川出禁」「万博会場にもともとメタンガスが出ることはわかっている」などに加えて「ミャクミャクは反対派が壊した」発言で、吉村はSNSで炎上中で尻軽知事の本領発揮であります。

大東市市長選挙大阪維新の候補が候補が落選して、大阪維新の崩壊の始まりが見えてきたのですが、吉村の炎上は泣きっ面に蜂状態のようです。

万博本番まであと1年を切りましたが、万博の大失敗は決定的で、その穴埋めのために大阪府大阪市の収支は10年間赤字になるようです。万博は今すぐ中止にすべきです。

 

ということで、全国の賢明な有権者の皆さま(とりわけ東京15区の皆さま)におかれましては、大阪のおぞましい惨状を見たら選挙で「維新」に票を入れるとどんなことが待っているかがお分かりになると思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

 

おぞましい「自・公・維新連立政権」成立に手を貸す連合芳野会長

 

連合の会長芳野友子が、衆院東京15区の補欠選挙立憲民主党の公認候補が共産党の支援を受けている状況を容認できないと述べたようです。

《連合の芳野友子会長は18日の記者会見で、衆院東京15区補欠選挙(28日投開票)を巡り、立憲民主党の公認候補が共産党の支援を受けている状況を「容認できない」と述べた。その上で「連合東京から自主投票に決めたと報告があった」と明らかにした。(時事ドットコムニュース)》

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「容認できない」とはどこに向けたことばなんでしょうか。だったらどうしろと言うんでしょうか、はっきりしてもらいたいです。

立憲民主党が「共産党さん、連合が容認できないと言っているので、支援は結構です」とでも言えば吉野の怒りがおさまるのでしょうか。

 

東京15区の補選で、もっとも当選してもらいたい候補者を推薦している立憲民主党と、野党共闘に近い形で支援している共産・社民・れいわの選挙戦について吉野会長は何が不服なのでしょう。

連合会長のことばは、酒井菜摘候補の選挙妨害にあたるのではないでしょうか。酒井候補の当選阻止に向けた言動だと思います。

元連合傘下の組合員だった私は、連合が芳野のような独裁的な姿勢の会長を据えていることを嘆かわしく思います。彼女は労働者や女性や民主主義の代表者ではありません。専制独裁国家をサポートする国家的御用組合の代表者であります。

何をえらそうに「容認できない」ですか。自分を何様と思っているのか、こんな連合会長こそ、容認できません。

ニュースにもあるように、連合東京は自主投票を決めたようですが、特定候補の積極的支援ではないものの、それはそれで連合の組合員の自主性に任せるってことでいいと思います。まだそこには「自由」があります。

 

私は立憲民主党を応援する身ですが、立憲民主党共産党社民党、れいわ新選組が連携して政権交代を実現してもらうことがいま最も清潔で現実的なことだと思います。

さもないと、自民、公明、維新の連立によるおぞましい政権が出来上がってしまいます。日本が壊れてしまいます、「悲劇」です。

賢明な連合に属する労働者たちは、そんなおぞましい政権を望んでいない自由人たちばかりだと思いますが、芳野会長にはそのことが全く分からないでようあります。芳野は「共産党」という文字を見るだけで血液が逆流するようですね、「悲劇」に手を貸すだけの存在であります。早く辞めるべきです。